49日忌の大事さ

私は、お寺の副住職を、務めさせて頂いている者です。

ある時、檀家さんの葬儀を終えてから相談を受けました。

「妻の遺骨を49日忌法要が終えた後でも、自宅に納めて置きたい」との事でした。

理由は、故人様が「自分が亡くなっても、しばらく遺骨を家に置いて欲しい」と言い残して亡くなられた事、50歳という若さでの死を受け止める事ができない、という事から納骨はまだしたくないという意思でした。

 

49日忌法要・納骨とは、故人樣が7日ごとに教えを頂き49日目に「この世にもう未練はない」と心安らかになった状態で霊界に旅立つ前の大事な法要・納骨です。

 

相談を受けた時に、49日忌の法要・納骨式の意義を伝えましたが、私は檀家さんがどうしても自宅に遺骨を置いておきたい、との想いを受け入れてしまい、自宅に置いておく事を許してしまいました。

また、少し時間が経てば檀家さんの心が癒え、納骨をして頂けるものと思っていたのですが、中々話が進まず2年が経ってしまいました。

いち早く納骨をして頂く為に、不思議親神様にメール相談をさせて頂きました。

 

教えて頂いた事は、「檀家さんに伝わらないのは自分自身の心遣いが違っている。」という事でした。

「49日忌法要とは、この世と霊界の分かれ道、墓に遺骨を納めていないと修業が始められず生まれ変わることが出来ない。

相手の想いに寄り添うだけでなく、間違っている事は間違いと、毅然とした態度で正しい事を伝える事が、本当のお寺の役割」ということを教えて頂きました。

 

今思うと、私は情に流されてしまい檀家さんの言いなりになっていたんだと思います。

故人樣は修業ができず生まれ変わることが出来ないという事を教えて頂き、なんて重大な事をしてしまったか、相手に寄り添うばかりではなく、毅然とした態度で正しい事を伝える心(心遣い)が足りなかったと気づかされました。

 

後日、いち早く檀家さんに「納骨を49日忌法要で行うことで故人樣は修業が始められる、納骨をしていないと亡くなられた奥様は成仏出来ない、筋道が違っている事をしていたら自分の子供たちも不幸になってしまう」と教えて頂いた事を伝えさせて頂きました。

檀家さんも色々な想いがあるかと思いますが、今行っている事は自分の身勝手な想いだけの事、亡くなられた奥様や子供たちの事を考え、納骨する決心をして頂きました。

不思議親神様に相談していなければ何も変わらず、またいつか納骨をしてくれるだろうと安易に考えていたと思います。

不思議親神様に自分の足らない所や心遣いを教えて頂いたおかげで一歩前へ進むことができました。

本当に感謝です。

 

今、時代と共にお寺でも多くの問題があります。

また、未曾有の災害、新型コロナウイルス感染に伴い、お寺の行事、葬儀法事等の簡略化が進んできてしまい、本来の寺の姿が失われてきています。

このような状況下だからこそ、正しい教え、心の通り方をお寺が発信する必要があると思います。

今回のように、檀家さんに合わせていただけでは、正しい教えを伝える事ができません。

間違っている事には間違いとはっきりと言う、芯を持つこと(勇気)の大切さを学ばせて頂きました。

まだ至らない私ですが、亡くなられた方をお守りする寺の者としてご先祖樣はじめ、辛く苦しんでいる方々の力になれるよう精進して参りたいと思います。

 

 (30代 男性)